2019年12月3日火曜日

【欲望は無限に増幅する:「できないこと」ではなく「できること」】

安い世間は「お客さまは神様です」と無責任に言ったりするが、お歳暮の時季に突入して激務に悲鳴を上げているクロネコヤマトを例に話そう。そのクロネコの創業者は「サービスが先、利益が後」をモットーにお客さまの立場になって新たなサービスを生み出し日本一の運送会社を築き上げた。ま、創業当初はそれでOK!しかし、商売が軌道に乗るとお客さまも調子に乗る。世界中を見渡しても時間帯指定ができて無料で再配達をするのはジャパンだけだ。そして配達員は途方に暮れる。「お客さまが望むもの」を考え、提供し続けた結果がこの有り様だ。そう、お客さまには「それが当たり前」となる。給料でも同じだよ。社員の給料を上げてやると、それから3か月間は社長に感謝するが、4か月目には「それが当たり前」となる。だから、基本給に含めることなく「○○手当」としてココイチのコーンやチーズのようにトッピングにするわけだ。基本給を上げれば、それが退職金の算定基準になってしまうからね。とは言え、上記の中に悪人は1人もいない。みんな無意識のうちにそうなってしまうだけなんだ。だからこそ、それを避けるためにも「できないこと」ではなく「できること」を相手側に伝えよう。「できないこと」を明言すると、それ以外はすべてできることになり、お客さまの要望や欲望が無限に増幅するからだ。調子に乗ったお客さまほど怖いものはない。

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